嬉しいのは誰?

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ここはとある森の中です。




うっそうと茂った森の中に・・・木でできた椅子が一脚ありました。




動物たちは椅子を見ると、ざわざわソワソワ。




なんでこんなところに椅子があるの?




人間でも来る予定なの?




いらないよねぇ。




みんな口々に困った話をします。




椅子もある日突然ここに連れてこられて、そのまま持ち主はいなくなってしまったのでした。みんなに申し訳ないし、でも何もできないし・・・。




でも、それでも前向きに考えて、みんなで椅子を活用することにしました。




椅子は少し安心しました。




その椅子は香木でできていたので、くまママは少し背もたれを少し削ってお香を作りました。それをみんなに分けてあげたら、ものすごくみんな喜んでくれました。




あらいぐまママは椅子の高さが気に入りました。洗濯物を干すのに調度いい高さです。干しきれないでいた洗濯物が毎日たくさんあったので、椅子に干しました。




ネズミママには、椅子はとても大きくて、でも隠れ家作りに調度いいわ、と言って椅子の下にお部屋を作り雨の日はそこで過ごしました。




うさぎママは創作活動が大好き。娘ちゃんと一緒に色や柄を椅子にほどこしたり、リボンをつけたりして椅子をデコレーションして遊びました。




おさる兄さんは運動が大好き!椅子を反対向けに倒して毎日毎晩、エクササイズ!!!そこへコアラママも来て一緒にエクササイズしています。




そうして毎日過ごすみんな。




椅子もみんなの役に立てて良かったな、自分はここにいていいんだ、と思えるようになりました。




それから数か月後。




森の脇にある畑に来るおじいちゃん。もう年で毎日の畑仕事も、大分疲れてるみたい。




みんなで使っている椅子。おじいちゃんのために少し、貸してあげようという話が、誰ともなく出てきました。




おじいちゃんに気づかれないように、そっと畑の隅に椅子を置くことに。




それに気づいたおじいちゃんは、たいそう喜びました。そして、座って休みました。




椅子も久しぶりに人に座ってもらって、森に置いて行かれる前に、たくさんの人たちに座ってもらっていたことを懐かしく思い出しました。




その様子をみて、森の仲間たちは顔を見合わせて、うん、うん。




「椅子さん、僕たちは今日まで、十分君と沢山のことをしてきたよ。だから今日からはおじいちゃんが座れるように、畑で毎日待つっていうのはどうかな?」




「・・・いいのみんな?」




動物たちは全員、大きく両腕で丸を作りました。




椅子は照れながら喜びました。




次の日から、椅子は畑の片隅でおじいちゃんを待つ日々になりました。




おじいちゃんは椅子をとても大切にして、雨に当たらないようにビニールをかけてくれました。




その様子を、森の動物たちも交代で毎日見に来ては、みんなで喜んでいました。




椅子も喜ぶ、おじいちゃんも喜ぶ、みんなも喜ぶ。




み~んなみんな、良かったね。




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ここからはおまけの話




おじいちゃんはその後、椅子で休むことが多くなり、とても元気になりました。




そうしたら、いつの間にかもう一人畑仕事を手伝ってくれる人が現れます。




それはおじいちゃんの家の隣に住む、おばあちゃんです。




二人ともとうの昔に伴侶に先立たれていたので、お互い一人暮らし。




二人で交代で椅子に座って休むことが出来るので、一緒に畑仕事をするようになったみたい。




お幸せにね!!




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このお話は音声での朗読もしています。私のnoteの方で、音声も残していますので、私の声が聴いてみたいなという方はぜひnoteの方にもお立ち寄りくださいませ。URLを貼っておきます!!




https://note.com/satou_fukukodane

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