かっぱのおっちゃん

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大人も子どもも楽しめる創作絵本⑦




太郎は小学3年生。夕方、お父さんと一緒に河原へ散歩に行きます。
今は学校がお休み。
感染症が広がっているので、これ以上広がらないようにするために、しばらく学校がお休みです。
勉強はオンラインでできるのですが、運動不足にどうしてもなってしまうので、お休みの今夕方太郎はお父さんと一緒に散歩へ行くのでした。
しばらく歩くと何やら人のような形をしたものが、太郎の目の端に入りました。
「ん?」
太郎は気にせず、お父さんと一緒に歩き続けました。
その次の日も、その次の日も、太郎はお父さんと一緒に散歩へ行きました。
ある日、お父さんが仕事で出勤した日があり、太郎は一人で河原に散歩に行きました。
そこで、会ってしまったのです。
「なぁ、お兄ちゃん、今日は一人か?」
「えっ?!」
声をかけてきたのはなんと、スーツ姿のややロン毛の男の人。
全く知らない人です。
「はい・・・、一人です」
「まぁ、俺も一人だけどな」
「誰ですか?」
「俺か?俺はカッパだ。ここにとりあえず住んでる」
「・・・えぇぇぇぇぇ!?」
見た目は普通のロン毛のサラリーマンで、頭のてっぺんが少し毛が薄い感じ・・・。とてもカッパには見えないけど、カッパらしい。
「最近、ここを散歩する人が増えていて、あの感染症のせいだな」
「みんな散歩してるよね」
太郎はカッパの見た目が普通だったので、怖いという思いもなく話をすることができました。
「あと、空気がきれいになってるな」
「そうかな・・・」
「ああ、昔に比べて空気がきれいになってる」
「詳しいんだね、カッパさん」
「まあな・・・」
カッパは自分の身の上話を始めました。
自分はずっとここに住んでいて、もう何百年もこの河原が変わっていく様子を見てきた。最近の感染症の影響でここの様子もすっかり変わってしまって、でもそれは嬉しいことだ・・・。
太郎はずっと、家族以外の人と話をすることがなかったので、久しぶりに他の人の声を聴いてちょっとうれしくなりました。
また、カッパはものすごく色々なことを知っていて、話をするのが楽しかったのです。
まだ人々が河原で洗濯物をしたり、子どもが泳いで遊んでいたりした頃の話や、川に工業廃水が流れて汚れてしまって魚が住めなくなってしまった頃の話・・・。
「太郎が生まれる500年前はな・・・」
「太郎が生まれる20年前なんかな・・・」
太郎にはカッパが話すことが、全部事実でしたが、全部おとぎ話に聞こえま
した。




しばらく一人で、太郎は河原に通いました。
お父さんが一緒に行こうと誘っても、一人で行くと言って・・・。
そうして、自粛期間が終わろうとする頃のある日、太郎にひとしきり話をした後にカッパが言いました。
「そろそろいくかなー」
「えっ!?どこに?」
「ちょっと呼ばれて」
「えっ?!えっ?!誰に?」
「まぁな、じゃあな、元気でな・・・」
その言葉に太郎は半信半疑でしたが、本当に次の日に河原に行ってもカッパはいませんでした。
太郎は河原で大泣きしました。
数週間だったけれど太郎はカッパが大好きで、大親友だと思ったからです。




カッパとは、もう二度と会うことはありませんでした。
調度明後日から、学校が始まります。
だからもう、泣かないようにしよう。
太郎は思いました。




















































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